東京都、液状化対策、初の指針、住宅被害防止や補強で。

2011年07月28日 / 日本経済新聞 朝刊

 東京都は東日本大震災による液状化被害を踏まえ、対策を強化する。27日に専門家らを交えた検討委員会を発足、2012年度末をメドに住宅の液状化対策に特化した対応指針を初めて策定する。今後想定される首都直下地震に備え、マンホールの耐震化や隆起防止策も進め、大規模な液状化被害を防ぐ体制づくりを急ぐ。

 都によると、東日本大震災では墨田、江東、足立、葛飾、江戸川の5区の計56棟で液状化の被害を確認。うち住宅が大きく傾く「大規模半壊」が12棟あったほか、半壊も26棟に達した。泥水による道路の冠水なども各地で発生し、「記録に残る都内の液状化被害としては過去に例のない規模だった」(都市整備局)。

 今回の被害を踏まえ、都は27日に学識者や国、都の担当者らからなる「建築物液状化対策検討委員会」(委員長、二木幹夫・財団法人ベターリビングつくば建築試験研究センター所長)を発足。都内の住宅被害や地盤の状況などを調べ、住宅などを建てる際に液状化の可能性を正確に判断できる地盤調査の方法や、液状化が起きた場合の補強工事、専門家の育成のあり方などを協議する。

 12年度初めに中間報告をまとめ、同年度末をメドに住宅の被害対策指針を策定する。都は検討委員会と共に既存の液状化予測図も修正し、12年度に新たな予測図を作る。

 二木委員長は27日の委員会初会合で「都内の液状化による住宅被害の全体像は把握しきれていない。学会など外部の団体とも情報交換をしながら、首都の液状化対策の方向性を決めていきたい」と話した。

 一方、下水道管とマンホールの接続部の耐震化も急ぐ。今回の震災では、下水道管の一部が液状化による土砂で詰まりかけるなどした。都は、下水道については00年度から15年計画で避難所や災害拠点病院に指定している約2500カ所の耐震化を進めてきたが、前倒しし、13年度までに終える。

 マンホールについては10年度までに、災害時の物資輸送に使う緊急輸送道路のうち、沿岸部の約500キロメートルにあるすべてのマンホールに浮上防止用の弁を取り付けたが、今年度から各区市町村が独自に定めた災害用道路に対象を拡大。

 12年度末までに、現時点で約300キロメートルある災害用道路のほぼすべてで工事を完了させる方針だ。

 

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