第11回ER地盤塾 地盤ほしょう内容のチェック方法

ー 地盤保険・ほしょう会社に求めるものを決めてから視る動画 ー

(パワーポイント動画 11分53+解説)

 


▼パワーポイント動画(YouTube) 11分53

追加解説

ER地盤塾 第十一回「地盤保険・地盤ほしょう内容のチェック方法」

 -いつから保険(ほしょう)が始まるか知っていますか-

▶地盤保険・ほしょう、いつから10年・20年?

 地盤保険、ほしょうは10年か20年が一般的ですが、この10年もしくは20年というのは、「建物引渡日」から10年・20年をほしょうするものがほとんどです。

▶保険(ほしょう)責任期間スタート=建物引渡日ではない

 では、「保険・ほしょう責任期間」というものをご存知でしょうか。これは、保険・ほしょうが有効な期間のことです。

 保険・ほしょうが始まる日を素直に考えると「建物引渡日」からほしょうされるような気がします。ですが、地盤保険・ほしょうの保険責任期間は「基礎着工日」をスタートとしているものがほとんどです。

 ですから、こういったパターンの保険・ほしょうが有効な期間は「基礎着工日から引き渡しまでの期間+建物引渡から10年・20年」ということになります。

 ひとつ注意点は、「ほしょう審査から基礎着工日まで」や「基礎着工日から引渡日まで」の期間が1年以内、2年以内と定められている保険・ほしょうもあるので、それぞれの期間も確認しておく必要があるという点です。

▶「基礎着工日から保険・ほしょうがスタート」はただのお得ではない

 引渡日より前の基礎着工日からほしょうされると言われると、なんとなく得した気分になります。これは手厚いほしょうを意味しているので、確かに得です。

 ですが、ただ「お得」という感覚的なものではありません。きちんと意味があります。

▶基礎着工直後に基礎が不同沈下した

 仮にこういった物件があったとします。

地盤調査の結果、各測点の数値傾向も地形条件も良好だったので地盤判定は「補強工事不要、直接基礎」となりました。住宅会社さんはその通りに基礎工事を始めたところ、基礎を作っている最中に一部の地盤が沈下し、その影響で基礎に亀裂が入りました。

 調査データと地形、過去の地歴の解読に問題はありませんでした。そこで、沈下した箇所の近くで原因調査を行ったところ、非常に軟弱な数値の自沈層が確認されました。

 住宅の地盤調査は建物四隅と中央で行うことが一般的で、それ以外の部分で地形条件でも説明がつかないような軟弱箇所があると判断できません。過失、故意の事故ではない地盤が原因の沈下事故です。こういった事故で、地盤保険・ほしょうを使いたいところです。

▶基礎着工日から責任期間がスタートする重要な理由

 ですが、保険・ほしょう責任期間のスタートがもし「建物引渡日」だったとしたら、引渡し前に起きたこの事故の損害に対して保険金は支払われないことになります。

 間違いなく地盤が原因の事故であるにもかかわらず、保険金が支払われなければ、自費で地盤補強工事と基礎工事のやり直しをしなければなりません。

 保険・ほしょう期間が「基礎着工日」から始まる、重要な理由です。

▶「基礎着工日から保険・ほしょうがスタート」はただのお得ではない

 手厚い地盤保険・ほしょうのほとんどは、「基礎着工日」から保険・ほしょう責任期間が始まるものがほとんどです。

 ですが、地盤保証会社の中には毎年の事故数が多く、裏付けとなる損害保険会社から更新の契約条件を厳しくされることがあり、連鎖的に補償内容が変わってしまうことも考えられます。

 地盤に限らず保険・ほしょう商品は確認すべき項目が多く、億劫に感じられることもありますが、地盤に関しては動画と合わせて「特に重要な点」を紹介しましたので、少なくともこれらをチェックして選んで欲しいと思います。