スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)

ー戸建住宅で最もよく使われている調査法ー

この試験は、静的貫入試験の一種で原位置における土の貫入抵抗を測定し、その硬軟または締まり具合、あるいは土層の構成を判定するために行います。

方法としては、先端にスクリューポイントを取り付けたロッドに、荷重を加えたりハンドルで回転を加えたりして、地盤の硬軟、締まり具合を判断します。

地表面から25㎝ごとに細かく計測することができます。

「スクリューウエイト貫入試験」は、2020年10月まで「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、JIS規格(JIS A 1221)の改正により名称変更となりました。尚、略称は「SWS試験」のまま変更ありません。

全自動試験機

手動式模式図

スクリューポイント


事前調査・資料調査

最終的な地盤判定には、現地調査だけではなく地形条件や近隣地盤把握のための資料調査が必要不可欠です。

特に、台地、谷地、扇状地などの地形条件は、その成り立ちから土質や地層に似通った特徴を持ち、現地調査や地盤判定に際して必須の情報となります。


現地調査

試験機による現地計測(土質構成、軟弱地盤の分布、地下水位の把握など)と共に、現地ロケーション(敷地の傾斜、造成盛土、周辺構造物の異常の把握など)を実施します。

通常は予定建築物の四隅と中心の5箇所を計測しますが、建築部の規模、地形条件、貫入障害、特異データの出現等により適宜対応することが必要です。

調査位置図例


スクリューウエイト貫入試験の方法

①スクリューポイントをロッドの先端に取り付け、調査ポイントに対して鉛直に設置します。

②ロッドに段階的に荷重(0.05kN → 0.15kN → 0.25kN → 0.5kN → 0.75kN → 1.0kN)をかけ、スクリューポイントが地中に貫入するかを観察します。途中で沈んだ場合は、その重さと貫入した距離を記録します。

③1.0kNの荷重でも貫入しない場合は、そのままハンドルを回転させ、強制的にロッドを貫入させます。ロッドを25cm貫入させるのにハンドルを何半回転させたかを記録し、地盤の性状を判断します。調査中

調査中(全自動式)


地盤解析(地盤判定)

地盤判定者は、資料調査と現地調査に基づいて地盤構造を3次元的に推定し、直接基礎で支持可能か、地盤補強が必要かの判定を行います。

3次元イメージ図

調査データ例


調査報告書

調査結果の総合判断となる「地盤判定結果報告書」を添付して調査報告書を作成します。

調査報告書には次のような資料が添付されます。

・地盤判定結果

・現地調査

・資料調査結果

・地形判読結果

・スクリューウェイト貫入試験結果

・現場写真


スクリューウエイト貫入試験結果の見方

SWS試験の原理

SWS試験では先端にスクリューポイントを付けたロッドに、おもりを順番に乗せていきます。

おもりを載せただけで沈むことを「自沈(じちん)」と言います。注意が必要な地盤です。

100㎏のおもりを載せて沈まない場合はハンドルで回転貫入させます。回転数が多いほど硬い地盤です。

20数年前から、半自動式、全自動式の試験機が普及し始め、現在では特殊な現場でない限りほとんど自動式で行われています。